そもそもファイヤーキングって何だ・・・?
ファイヤーキングとは、米オハイオ州のアンカーホッキング(Anchor Hocking)社の耐熱食器のブランドのひとつです。1941年、アンカーホッキングはミルクガラスの「ファイヤーキング」ブランドを立ち上げ、第二次世界大戦後もつづくアメリカの高度経済成長にも乗って瞬く間に全米にその名を轟かせました。
いわゆるミッドセンチュリーと言われる1950年代以降はプリントマグや形状のバリエーションが増え、全盛期を迎えます。70年以降はマクドナルドやバーガーキング等の大手ファーストフードチェーンを中心にノベルティとして人気が高まり、1986年のミルクガラスの生産終了までその人気は衰える事を知りませんでした。
人気があったにもかかわらず、なぜ「ファイヤーキング」ブランドは無くなってしまったのか・・・?厳密に言えば1986年にファイヤーキングは消滅したわけではありません。あくまでもミルクガラスの生産が終了しただけで、普通の耐熱食器は製造されていました。実際に私も15年以上前にファイヤーキングの計量カップを国内で買ったことがあります。
ファイヤーキングのコレクターになる理由は人それぞれだと思いますが、インダストリアルデザインとしての美しさ、そのデザインの豊富さ、プリントマグの奥深さ、などが最たる理由として挙げられるでしょう。
これはイームズにも言える事なのですが、ファイヤーキングの魅力はデザインと機能性が両立していて、なおかつ大量生産されているということ。往々にして、インダストリアルデザインが行き過ぎると「使いにくい」といった話になるものです。しかしファイヤーキングはその美しさと機能を両立し、コストダウンを図るために大量生産した、ミッドセンチュリーモダンの象徴的存在。余談ですがハーマンミラーのイームズ(というよりはチャールズ&レイ・イームズのポリシー)も全く同じコンセプトでした。
これがまさに、人々がファイヤーキングに惹かれてしまう理由なのです。
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